【オフィシャルインタビュー①公開】

2021/12/22 (Wed)

恋愛や愛をテーマに色彩豊かな感情を描いた歌詞、懐かしさを感じさせるメロディライン、そして、ロックバンドとしての強さとポップな音像を兼ね備えたサウンド。“愛だの恋だのラブソングだけを歌い続けるバンド”を掲げるmoon dropがついに1st Full Album「この掌がまだ君を覚えている」をリリースする。


  今年8月から12月にかけてリリースしてきた“季節の恋模様を描くラブソング”「水色とセーラー服」「リタ」「この雪に紛れて」を含む本作。バンド結成当初からライブハウスでラブソングだけを奏で続けてきた彼らの最初の集大成であると同時に、さらなる進化を実感できる作品に仕上がっている。中心にあるのはもちろん、浜口飛雄也(Vo/Gt)が紡ぎ出すラブソング。リアルな体験をもとにした曲だけではなく、想像で作り上げたストーリーを描いた楽曲も加わり、豊かさを増した恋愛ソングを堪能できる。楽曲のなかで映し出される物語にリスナーが自分自身を投影し、まるで自分が主人公になったように感じる没入感も、このバンドの魅力だ。

しっかりと歌を際立たせるバンドサウンドもさらに向上。ライブハウスで培ってきた生々しいバンドサウンドに加え、ストリングやキーボードなどを取り入れた楽曲も増え、ポップスとしての強度が高まっているのも本作の特徴だろう。J-POPユーザー、バンド好きのリスナーを中心に、幅広い層にアピールできるアルバムだと思う。


moon dropのこれまでのキャリアを紹介しておこう。結成は2014年。お互いに別のバンドで活動していた浜口飛雄也(Vo/Gt)、清水琢聖(G)を中心に結成され、その後、坂知哉(Ba)、原一樹(Dr)が加入し、現在のラインナップが揃った。彼らの音楽的ルーツは、back number、ASIAN KUNG-FU GENERATION、ELLEGARDEN、マキシマム ザ ホルモンなど00年代以降の邦楽ロックが中心。それぞれ別のバンドで活動していた4人をつなげたのは、浜口が紡ぎ出すラブソングだ。

「曲を書き始めたのは高校2年のときなんですけど、最初からラブソングばっかりでしたね。僕はのんびりしてる性格で、考え込むことも少ないんですけど(笑)、恋愛していると考えたくなくても考えてしまうし、すごく心が動くんですよ。なので自然とラブソングが増えたのかなと」(浜口)

「以前、飛雄也がやっていたバンドはback numberのカバーとオリジナル曲が半々くらいだったんですけど、区別がつかないほどいい曲を書いてたんですよ。そのバンドは解散して、飛雄也は弾き語りをやってたんですけど、それもすごくよくて。一緒にバンドやりたいと思って、自分から誘いました」(清水)

「最初に飛雄也の歌を聴いたのはライブだったんですけど、とにかく曲と声がいいなと」(坂)

「僕の第一印象も、“曲と声がいい”でしたね。この人の歌でドラムを叩きたいと思いました」(原)


浜口が歌詞とメロディを作り、坂を中心に構成を練り、メンバー個々の感性を活かしながら楽曲を生み出してきたmoon dropは、月10本ペースでライブを重ねながら、徐々に存在感を増し、幅広いリスナーを獲得してきた。今年に入ってからも、思春期の爽やかさ、切なさを瑞々しく描き出したアッパーチューン「水色とセーラー服」(8/25リリース)、<私が私であるために/これから先も君だけがいい>というフレーズが胸を打つミディアムチューン「リタ」(10/1リリース)、ロマンティックな悲しみを映し出すウィンターバラード「この雪に紛れて」(12/8リリース)を次々と発表。初めてストリングスを取り入れるなど、音楽的にも着実な進化を続けている。

そして2022年1月19日には、1st Full Album「この掌がまだ君を覚えている」をリリース。浜口はこの記念すべき作品に対して、「今までとは違う曲の書き方」にトライしたと語る。


「今までは実体験をもとにすることが多かったんですが、このアルバムは物語を作るように書いた曲が多くて。1曲1曲の設定やストーリーをはっきりさせて、ドラマを作るように制作したんですが、それがすごく楽しかったし、自分としてもシックリきました」(浜口)

アルバムのリード曲「寝ても覚めても」は、メンバー全員が「moon dropらしさがしっかり出せた」と語るミディアムナンバー。アコギと歌を軸にした生々しいバンドサウンド、ノスタルジックな雰囲気の旋律、<離れるたび/また君に恋をして>というラインが響き合う、切なくも愛らしいラブソングだ。

「サビのフレーズを思いついたときに、“これだ!”ってイナズマが走りました(笑)。ちょっと懐かしい感じのメロディだったり、歌詞の雰囲気も含めて、わかりやすくmoon dropのいいところが出せたと思います」(浜口)

アルバムには、ライブハウスで活動を続けてきたmoon dropの雰囲気が強く表れたロックチューン「君と夜風」、叙情的なメロディに乗せて別れの季節をリリカルに綴った「四月が君をさらってしまう前に」といった、バンドの着実な進化を感じさせる新曲が収録される。さらに完全生産限定盤には、ファンの間で強い支持を得ている「オレンジ」「ex.ガールフレンド」の再録バージョンを収録。幅広い層のリスナーが共感できる歌、そして、バンドとしての魅力を両立させた本作「この掌がまだ君を覚えている」によって、moon dropはさらに広いポピュラリティを獲得することになるだろう。

「“物語を作る”というやり方は、自分にとっても大きな発見で。ドラマを作るように楽曲を制作しているバンドはあまりいないと思うし、そこは自分たちの強みなのかなと」(浜口)

「90年代っぽいメロディやラブソングがいちばんの武器だと思っていて。歌をより際立たせてる演奏を心掛けたいです」(原)

「moon dropはライブハウスで育ってきたバンドでもあるので、そこで得たものもしっかり活かしたりしながら活動していきたいですね」(清水)

「楽曲の良さを伝えることはもちろん、ライブもカッコいいと思ってもらえるバンドになりたいです!」(坂)


取材・文:森朋之

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